日本標準産業分類とは

事業再構築補助金に申請して採択を狙うには、事業再構築補助金ならではの複雑な申請枠と申請類型について理解し、それぞれの要件をクリアしているかどうかを確認しなければなりません。

事業再構築補助金は、制度名に「再構築」とついているくらいなので、まずはご自分の事業をどう再構築するか、どう作り直すかを考えなければいけないわけですが、これが「(申請)類型」にあたります。

事業再構築補助金で設定されている類型は、 

 ①新市場進出(新分野展開・業態転換)
 ②事業転換
 ③業種転換
 ④事業再編
 ⑤国内回帰

の5種類があります(第11回公募)。

ご自分がイメージしている事業再構築の形がどの類型にあてはまるのか(あるいは、どれにもあてはまらないのか)ひとつずつ類型についてご説明したいところですが、

今回は、先に前提知識となる「日本標準産業分類」「主たる業種」「主たる事業」についてご説明します。

日本標準産業分類とは

事業再構築指針の手引き (3.0版)
https://www.meti.go.jp/covid-19/jigyo_saikoutiku/pdf/shishin_tebiki.pdf?0424#page=26

日本標準産業分類とは、日本国内の様々なお仕事に記号や番号をつけて分類しているものです。

上の図にあるように、大分類➡中分類➡小分類➡細分類と段階を追ってこまかくなっていきます。

大分類は

 A.農業,林業
 B.漁業
 C.鉱業,採石業,砂利採取業
 D.建設業
 E.製造業
 F.電気・ガス・熱供給・水道業
 G.情報通信業
 H.運輸業,郵便業
 I.卸売業,小売業
 J.金融業,保険業
 K.不動産業,物品賃貸業
 L.学術研究,専門・技術サービス業
 M.宿泊業,飲食サービス業
 N.生活関連サービス業,娯楽業
 O.教育,学習支援業
 P.医療,福祉
 Q.複合サービス事業
 R.サービス業(他に分類されないもの)
 S.公務(他に分類されるものを除く)
 T.分類不能の産業

と分けられています。

それぞれ大分類はさらに細かく分かれていて、大分類➡中分類➡小分類➡細分類と分けられていきます。

こちらのページには細分類まで分けられたものが掲載されていますが、ご自分の事業が何業に当てはまるのか見当もつかない方もいらっしゃると思います。

その場合は、それぞれの業種(大分類)の総論を調べる必要が出てきます。

総論(説明及び内容例示)一覧

A.農業,林業
https://www.soumu.go.jp/main_content/000290720.pdf

B.漁業
https://www.soumu.go.jp/main_content/000290721.pdf

C.鉱業,採石業,砂利採取業
https://www.soumu.go.jp/main_content/000290722.pdf

D.建設業
https://www.soumu.go.jp/main_content/000290723.pdf

E.製造業
https://www.soumu.go.jp/main_content/000290724.pdf

F.電気・ガス・熱供給・水道業
https://www.soumu.go.jp/main_content/000290725.pdf

G.情報通信業
https://www.soumu.go.jp/main_content/000290726.pdf

H.運輸業,郵便業
https://www.soumu.go.jp/main_content/000290727.pdf

I.卸売業,小売業
https://www.soumu.go.jp/main_content/000290728.pdf

J.金融業,保険業
https://www.soumu.go.jp/main_content/000290729.pdf

K.不動産業,物品賃貸業
https://www.soumu.go.jp/main_content/000290730.pdf

L.学術研究,専門・技術サービス業
https://www.soumu.go.jp/main_content/000290731.pdf

M.宿泊業,飲食サービス業
https://www.soumu.go.jp/main_content/000290732.pdf

N.生活関連サービス業,娯楽業
https://www.soumu.go.jp/main_content/000290733.pdf

O.教育,学習支援業
https://www.soumu.go.jp/main_content/000290734.pdf

P.医療,福祉
https://www.soumu.go.jp/main_content/000290735.pdf

Q.複合サービス事業
https://www.soumu.go.jp/main_content/000290736.pdf

R.サービス業(他に分類されないもの)
https://www.soumu.go.jp/main_content/000290737.pdf

S.公務(他に分類されるものを除く)
https://www.soumu.go.jp/main_content/000290738.pdf

T.分類不能の産業
https://www.soumu.go.jp/main_content/000290739.pdf

ひとつひとつリンクを開くのが面倒な方のために、ひとつのPDFにまとめたものもご用意しましたので、こちらからダウンロードしてください。

ダウンロード
https://home.nakazawa-g.jp/wp-content/uploads/2023/10/cd907f2a24a04571f603cf9b2e2ff791.pdf

「主たる業種」とは

事業再構築指針の手引き (3.0版)
https://www.meti.go.jp/covid-19/jigyo_saikoutiku/pdf/shishin_tebiki.pdf?0424#page=15

事業再構築補助金の「業種転換」類型の要件のひとつに
中小企業等が新たな製品を製造することにより、主たる業種を変更すること
とあります。

事業再構築補助金では、日本標準産業分類に基づいて、大分類で示される産業を「業種」と定義しています。

例えば、今まで大分類で言うと「E.製造業」に分類される事業をされていた会社が、新たに「製造業以外」に分類される事業を始める場合は「業種転換」にあたります。

ただし、要件は「新たな製品を製造することにより、主たる業種を変更すること」なので、
新たに農業を始めるけど、

補助事業実施後、3~5年間経っても(事業計画期間が終了しても)、
主たる業務(直近決算期における売上高構成比率の最も高い事業)が製造業のままの計画

では、「業種転換」類型で申請することはできません(売上高構成比要件)。

ちなみに、3~5年間の「事業計画期間」は公募申請のときに申請者ご自身で計画したものになりますから、事業計画期間が3年の方もいれば4年の方もいらっしゃいますし、5年の方もいらっしゃいます。

また、今まで製造業と農業(キャベツ栽培)を営んでいた会社が、
『これからは製造業を縮小してキャベツ栽培に力を入れよう!』
といって農業(キャベツ栽培)を今後の主要な業種(売上高構成比率の最も高い事業)にしようとしても、「新たな」製品を製造するわけではないので、「製品等の新規性要件」もクリアできません。

※「製品」「製品等」という言葉には「商品」や「サービス」も含みます。
「製造」という言葉には「(サービスの)提供」という意味も含みます。

「業種転換」類型に申請するには、これまでやってきた事業から撤退するぐらいの思い切りが必要になりそうです。

それだけに、事業再構築補助金開始当初は
『「業種転換」類型は採択率が高い』
とも言われていました。

そうはいっても採択率に惑わされず、しっかりとした事業計画・収益計画を考えるようにし、それができないようであれば「業種転換」類型で申請するのは考えた方がいいでしょう。

「主たる事業」とは

事業再構築指針の手引き (3.0版)
https://www.meti.go.jp/covid-19/jigyo_saikoutiku/pdf/shishin_tebiki.pdf?0424#page=12

事業再構築補助金の「事業転換」類型の要件のひとつに
中小企業等が新たな製品等を製造等することにより、主たる業種を変更することなく、主たる事業を変更すること
とあります。

事業再構築補助金では、日本標準産業分類に基づいて、中分類・小分類・細分類で示される産業を「事業」と定義しています。

つまり、「事業転換」類型に申請するには

(大分類は変更せずに=今までと同じ業種の中で)
中分類または小分類または細分類のいずれかを変更しなければならない

ということになります。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする