【事業再構築補助金】グリーン成長枠(エントリー・スタンダード)

※以下の資料画像はすべて「事業再構築補助金の概要12.0版」から引用しています。

第10回公募から事業再構築補助金には

  • 成長枠
  • グリーン成長枠
  • 産業構造転換枠
  • 最低賃金枠
  • 物価高騰対策・回復再生応援枠
  • サプライチェーン強靱化枠

という具合に、大きく分けると6つの申請枠が用意されました。

また、上乗せ枠として「大規模賃金引上促進枠」「卒業促進枠」といった申請枠も用意されています。

中には、第11回公募では募集されていない申請枠も概要には記載されているので、ここでもう一度整理しておきましょう。

◆グリーン成長枠は「エントリー」と「スタンダード」の2種類

今回は「グリーン成長枠」について解説します。

まず、グリーン成長枠は「エントリー」と「スタンダード」の2つに分かれます。

◆グリーン成長枠(エントリー)とグリーン成長枠(スタンダード)の違い

一番のポイントは研究開発・技術開発期間の違いでしょうか。

エントリーでは1年以上スタンダードでは2年以上研究開発・技術開発に時間を費やさなければなりません。

その分初期投資も必要ですし、成果が売上に現れるまで時間もかかりますから、それなりの規模の企業でなければ採算が取れないでしょう。

◆グリーン成長枠(エントリー)

中小企業がグリーン成長枠(エントリー)に申請する場合、下記の6つのパターンのうちからどれかひとつを選んで申請することになります。

グリーン成長枠+大規模な賃上げ+卒業促進枠+大規模賃金引上促進枠
グリーン成長枠
グリーン成長枠+大規模な賃上げ
グリーン成長枠+卒業促進枠
グリーン成長枠+大規模な賃上げ+卒業促進枠
グリーン成長枠+大規模賃金引上促進枠
グリーン成長枠+大規模な賃上げ+大規模賃金引上促進枠

◆グリーン成長枠(エントリー)の申請要件

必須要件

(1)事業計画について認定経営革新等支援機関の確認を受けること

事業者自身で事業再構築指針に沿った事業計画を作成し、認定経営革新等支援機関の確認を受けること。
補助金額が3,000万円を超える案件は金融機関(銀行、信金、ファンド等)の確認も受けること。
金融機関が認定経営革新等支援機関を兼ねる場合は、金融機関のみで構いません。

(2)付加価値額を向上させること

補助事業終了後3~5年で付加価値額の年率平均3.0~5.0%(申請枠により異なる)以上増加、
又は従業員一人当たり付加価値額の年率平均3.0~5.0%(申請枠により異なる)以上増加させることが必要です。

追加要件

  • 必須要件(付加価値額については、年率平均4.0%以上増加を求める。)に加え、以下の①及び②を満たすこと
  • ①グリーン成長戦略「実行計画」14分野に掲げられた課題の解決に資する取組として記載があるものに該当し、その取組に関連する1年以上の研究開発・技術開発又は従業員の5%以上に対する年間20時間以上の人材育成(※)をあわせて行うこと
    (※)外部研修又は専門家を招いたOJT研修を受けることが必要となります。
  • ②事業終了後3~5年で給与支給総額を年率平均2%以上増加させること

◆グリーン成長枠(スタンダード)

中小企業がグリーン成長枠(スタンダード)に申請する場合もエントリーの場合と同様に、下記の6つのパターンのうちからどれかひとつを選んで申請することになります。

グリーン成長枠+大規模な賃上げ+卒業促進枠+大規模賃金引上促進枠
グリーン成長枠
グリーン成長枠+大規模な賃上げ
グリーン成長枠+卒業促進枠
グリーン成長枠+大規模な賃上げ+卒業促進枠
グリーン成長枠+大規模賃金引上促進枠
グリーン成長枠+大規模な賃上げ+大規模賃金引上促進枠

◆グリーン成長枠(スタンダード)の申請要件

必須要件

(1)事業計画について認定経営革新等支援機関の確認を受けること

事業者自身で事業再構築指針に沿った事業計画を作成し、認定経営革新等支援機関の確認を受けること。
補助金額が3,000万円を超える案件は金融機関(銀行、信金、ファンド等)の確認も受けること。
金融機関が認定経営革新等支援機関を兼ねる場合は、金融機関のみで構いません。

(2)付加価値額を向上させること

補助事業終了後3~5年で付加価値額の年率平均3.0~5.0%(申請枠により異なる)以上増加、
又は従業員一人当たり付加価値額の年率平均3.0~5.0%(申請枠により異なる)以上増加させることが必要です。

追加要件

  • 必須要件(P2参照。付加価値額については、年率平均5.0%以上増加を求める。)に加え、以下の①及び②を満たすこと
  • ①グリーン成長戦略「実行計画」14分野に掲げられた課題の解決に資する取組として記載があるものに該当し、その取組に関連する2年以上の研究開発・技術開発又は従業員の10%以上に対する年間20時間以上の人材育成(※)をあわせて行うこと
    (※)外部研修又は専門家を招いたOJT研修を受けることが必要となります。
  • ②事業終了後3~5年で給与支給総額を年率平均2%以上増加させること

◆グリーン成長戦略「実行計画」14分野

グリーン成長枠に申請するには、

「①グリーン成長戦略「実行計画」14分野に掲げられた課題の解決に資する取組として記載があるものに該当」するかどうか

が最も重要なチェックポイントになります。

2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略

◆「大規模な賃上げ」で補助率アップ

成長枠またはグリーン成長枠に申請する場合、【大幅な賃上げ】を達成すると補助率がアップされます。

【大規模な賃上げ】

※事業終了時点で、

  • ①事業場内最低賃金+45円、
  • ②給与支給総額+6%

を達成すること。

ただし、事業終了後3~5年で給与支給総額を年率平均2%以上増加させることが出来なかった場合、差額分(補助率1/6分)の返還を求めます。

◆グリーン成長枠の補助金額引上げ

グリーン成長枠も成長枠と同様、「卒業促進枠」または「大規模賃金引上促進枠」を上乗せすれば補助金額を引き上げることができます。

「卒業促進枠」または「大規模賃金引上促進枠」のどちらかしか上乗せできない点も成長枠と同じです。

◆卒業促進枠

【卒業促進枠の要件】

以下の①及び②を満たすこと

  • ①成長枠又はグリーン成長枠に、同一の公募回で申請すること。
  • ②成長枠又はグリーン成長枠の補助事業の終了後3~5年で中小企業・特定事業者・中堅企業の規模から卒業すること(※)

(※)以下のいずれかを達成する必要があります。
・応募時点で中小企業→特定事業者、中堅企業又は大企業に成長
・応募時点で特定事業者→中堅企業又は大企業に成長
・応募時点で中堅企業→大企業に成長

◆大規模賃金引上促進枠

【大規模賃金引上促進枠の要件】

以下の要件をいずれも満たすこと

  • ①成長枠又はグリーン成長枠に、同一の公募回で申請すること。
  • ②成長枠又はグリーン成長枠の補助事業の終了後3~5年の間に、事業場内最低賃金を年額45円以上の水準で引上げること。
  • ③成長枠又はグリーン成長枠の補助事業の終了後3~5年の間に、従業員数を年率平均1.5%以上(最低事業計画期間×1人の増員が必要)増員させること

◆グリーン成長枠の補助事業実施期間

グリーン成長枠の補助事業実施期間は
「交付決定日~14か月以内(ただし、補助金交付候補者の採択発表日から16か月後の日まで)」
と、他の申請枠に比べて長くなっています。

とはいえ、申請要件では「2年以上の研究開発・技術開発」(スタンダードの場合)となっていますから、この違いに注意しなければなりません。

補助金申請が採択されたら、補助事業実施期間内に補助事業を実施しなければなりません。

つまり、交付決定日から14ヶ月以内に、補助対象となる「研究開発・技術開発に使用する機械等」を購入・設置・支払いなどをしなければならない、ということです。

また、交付申請に手間取って交付決定がされていなくても、採択発表日から16ヶ月以内には補助事業を実施(購入・設置・支払いなど)しなければなりません。

採択発表日から2年以上経って開発に必要な機械等を購入しても、補助金は下りませんので注意してください。

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