【事業再構築補助金】補助事業実施期間・基準年度・補助事業計画期間

優れた経営者は時間感覚に非常に優れていると感じます。

スケジュール観、特に締め切りを守る、納期を守るということを通して信頼を構築している方が多いです。

補助金申請や、実際に補助事業を実施することについても、締め切りやスケジュール観は非常に重要になります。

ここでは、申請類型や補助事業の実施スケジュール、補助事業完了後の手続きについて、補助金申請ならではの「期間」にまつわる用語について解説します。

◆補助事業実施期間

補助金に申請して採択されると、補助事業を実施することになります。

「補助事業」という言葉にはいくつか意味があります。

1.補助金を使う『企画』『プロジェクト』といった意味合い。

 例:冷めても美味しいテイクアウト商品開発事業

  新製品開発・販売促進プロジェクト

  1.   WEB広告を活用した新装オープンキャンペーン

2.『発注』『購入契約』『利用申し込み』と、それに伴う『納品』といった意味合い

 例:新規WEBページ(ランディングページ)制作業務を発注すること&納品

3.国・行政・実施主体(主催団体)にとっての、補助金制度の正式名称

 例:中小企業等事業再構築促進事業(事業再構築補助金の正式名称)

3番は申請者側にとってはまず使うことはないので詳しい説明は割愛します。

補助事業実施期間について説明する上で大事なのは

「2.『発注』『購入契約』『利用申し込み』と、それに伴う『納品』といった意味合い」

です。

補助金に申請して採択されると、

購入する商品・サービスを選ぶ(公募申請の時点でほぼ完了しています)

  1. 業者と最終的な仕様について打ち合わせする(→「仕様書」発行)
  2. 業者に見積もりを依頼する(→「見積依頼書」発行)
  3. 業者から見積書が提示される(→「見積書」発行)
  4. 発注する(→「発注書」発行)
  5. 納品される(→「納品書」「請求書」発行)
  6. 支払いをする(クレジットカード払いの場合は引き落とし)(→「領収書」発行)

といった流れが一般的です。

「見積依頼書」というのは聞き慣れないと思いますが、国・行政が入札を募集するときによく使われます。

「そこまでいろいろ出してないよ」という方もいらっしゃると思いますが、戸建てや内装などの建設工事を依頼したことがある方はイメージしやすいのではないでしょうか。

補助金に申請して採択されると、これらの作業・手続きを「補助事業実施期間」の間に完了させなくてはなりません。

◆具体的には何ヶ月?

事業再構築補助金の場合、ほとんどの類型では補助事業実施期間は下記のように定められています。

交付決定日~12か月以内(ただし、補助金交付候補者の採択発表日から14か月後の日まで)(成長枠の場合)

事業再構築補助金 公募要領(第11回)1.5版

つまり、

  • (交付申請後)交付決定日から12ヶ月後の日
  • 採択発表日から14か月後の日

どちらか早い日までが補助事業実施期間ということになります。

それまでに納品や支払い、クレジットカードの引き落としを完了させなくてはなりません。

申請する類型によって補助事業実施期間は様々ですから、必ず最新の公募要領で確認してください。

※交付申請とは

公募申請が採択されただけではまだ補助事業(プロジェクト)を始めることはできません。

採択決定が出たら(採択されたら)「交付申請」を行って「補助金交付決定」(補助金交付決定通知書)が出なければ発注ができません。

あるいは、事業再構築補助金の場合は「事前着手承認申請」を行って、承認されれば交付決定前に発注を行うこともできますが、思っていたように補助金が出ないというリスクもあます。

交付申請では、業者に送った「見積依頼書」や見積書の「正式版」など、様々な書類を添付する必要があります。

交付申請が完了すると補助金額が決定しますから(最終決定は補助事業実施後ですが)、いよいよ発注や購入契約などの補助事業を始めることができます。

◆基準年度

「補助事業の完了日」が属する「申請者の(通常の決算期の)事業年度」のことを『基準年度』といいます。

「補助金交付決定で認められた品目について、納品と支払い・引落しがすべて完了した日」が
「補助事業の完了日」となります。

「申請者の事業年度」は申請者の決算日によって様々です。

◆個人事業主の場合

個人事業主の方は全員12月末日が決算日になります。

例えば、2023年11月5日にすべての納品&支払いを終えた(補助事業を完了した)とすると、
補助事業の基準年度は「2023年12月期」(2023年度)となります。

◆7月決算の法人の場合

法人の場合、例として2023年8月~2024年7月が法人の事業年度(2023年度)だとして、
2023年月6月5日にすべての納品&支払いを終えた(補助事業を完了した)とすると、
補助事業の基準年度は「2023年7月期」となります。

この法人が事業年度をまたいで、2023年11月5日に補助事業を完了したとすると、
補助事業の基準年度は「2024年7月期」となります。

◆補助事業計画期間

「補助事業計画期間」は補助事業実施期間によって変わります。

また、申請者が何年計画(3年/4年/5年)で申請したか(公募申請)によって、計画期間はそれぞれ違います。

補助事業実施期限が2023年11月30日までだとすると、補事業計画期間はその翌日から始まります。ですから、申請者の事業年度とは期間が異なります。

3年計画で採択された場合
・計画1期:2023年12月1日~2024年11月30日
・計画2期:2024年12月1日~2025年11月30日
・計画3期:2025年12月1日~2026年11月30日
の計3年間が補助事業計画期間ということになります。

4年計画で採択された場合
・計画1期:2023年12月1日~2024年11月30日
・計画2期:2024年12月1日~2025年11月30日
・計画3期:2025年12月1日~2026年11月30日
・計画4期:2026年12月1日~2027年11月30日
の計4年間が補助事業計画期間ということになります。

5年計画で採択された場合
・計画1期:2023年12月1日~2024年11月30日
・計画2期:2024年12月1日~2025年11月30日
・計画3期:2025年12月1日~2026年11月30日
・計画4期:2026年12月1日~2027年11月30日
・計画5期:2027年12月1日~2028年11月30日
の計5年間が補助事業計画期間ということになります。

補助事業計画期間は、各計画期明け(上の例だと12月)に、前計画期の補助事業の達成状況に関する報告書を提出しなければなりません。

・3年計画で採択された方は計3回
・4年計画で採択された方は計4回
・5年計画で採択された方は計5回

補助金が入金された後も、補助事業についてどのような成果があったか、集客数や販売数、売上高などの月次決算を行うことをおすすめします。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする