◆酒類販売業免許申請の流れ
コンビニやリサイクルショップでお酒を販売したり
ネットオークションにお酒を出品するなど、
お酒を販売するには税務署に申請して
酒類販売業免許(お酒の販売免許)を取得する必要があります。
具体的には申請書類を作成して税務署に提出します。
しかし、酒類販売業免許は
・販売するお酒の品目(ビール、焼酎など)
・誰に対して販売するのか
・どんな方法で販売するのか
といった内容によって免許の種類が分かれています。
免許を取るための要件(国税庁から課せられる取得条件)や
それぞれ申請書類も違いますので
ご自分の事業内容をきちんと整理して
どの免許を取らなければならないのかを考えなければなりません。
ここでは申請の手順を説明しながら
酒類販売業免許申請の重要ポイント
1.酒類販売業免許の種類
2.免許を取るためにクリアしなければならない条件(要件)
3.酒類販売業免許を取るために考えておかなければならないこと
4.申請書類
5.免許が発行されるまでにやらなければならないこと
について解説していきます。
(ご注意)
こちらの記事は酒類販売業免許を取得するための手順をイメージしていただくための参考記事となっています。実際の申請手続きではお客様の資格・経験・事業内容・経営状況などによって追加書類などの準備が必要な場合があります。詳しくは弊事務所までご相談ください(お問い合わせ電話番号・メールフォームはこちら)。
◆免許申請の流れ
酒類販売業免許申請のおおまかな流れをお話ししておきます
酒類販売業免許申請は
1.免許の種類を決める
2.取得可否をチェックする
3.販売場所を決める
4.酒類販売管理者研修を受講する
5.申請書類を作成する
6.申請する
7.免許取得
ということになります
それぞれ具体的な内容を下記でご説明していきます。
◆酒類販売業免許の種類
酒類販売業免許は大きく分けるとふたつのグループ
A.酒類卸売業免許
B.酒類小売業免許
に分けることができます。
さらに、B.酒類小売業免許は主に販売方法によって
B-α.一般酒類小売業免許
B-β.通信販売酒類小売業免許
B-γ.特殊酒類小売業免許
の3つのグループに分かれます。
ただし、B-γ.特殊酒類小売業免許はとてもまれなケースなので、
ここでは割愛します。
また、酒類卸売業免許も販売するお酒の種類(品目)などによって
さらに細かく分かれていきます。
ですから、まずは
A.酒類卸売業免許
B-α.一般酒類小売業免許
B-β.通信販売酒類小売業免許
の中から、どれがご自分に必要な免許なのかを把握することが重要です。
そのために
「どのお酒を扱うのか」
「誰にどうやって売るのか」
をあらかじめ考えておかなければなりません。
ちなみに、要件(免許を取得するために国税庁が指定している条件)がクリアできていれば3つ同時に取得申請をすることもできます。
ご自分に必要な免許の種類は次の2ステップで考えていきます。
ステップ1.販売相手と免許の関係
・酒販店(コンビニ、ディスカウントストアなどすでに酒類小売業免許を持っている個人・お店・会社)に対して販売する場合はA.酒類卸売業免許を取得する必要があります。
・一般消費者や飲食店に対して販売する場合は酒類小売業免許
(B-α.一般酒類小売業免許またはB-β.通信販売酒類小売業免許)を
取得する必要があります。
ステップ2.販売エリアと免許の関係(A.酒類小売業免許の場合)
小売業免許の場合は販売エリアによって
「一般酒類小売業免許」
または
「通信販売酒類小売業免許」
のどちらが必要か考えます。
ちなみに、要件がクリアできていれば両方同時に取得申請をすることができます。
ステップ1.販売相手と免許の関係
◆A.卸売業免許とB.小売業免許の違い
まず
A.酒類卸売業免許
B-α.一般酒類小売業免許
B-β.通信販売酒類小売業免許
の区別について解説しておきます。
◆A.酒類卸売業免許が必要な場合
酒類卸売業免許を取らなければならない場合とは
・「すでにB.酒類小売業免許を持っている」個人・お店・会社などに対してお酒を販売したい。
このような場合、A.酒類卸売業免許を取得する必要があります
逆の見方をすると、
B-α.一般酒類小売業免許やB-β.通販酒類小売業免許を持っていても
(一般・通販のどちらかでも)酒類小売業免許を持っている他の人に対して
お酒を販売することはできないということになります。
つまり、販売用のお酒の仕入れをしたい場合は酒類卸売業免許を持っている人や
酒類卸売業免許を持っている会社などから仕入れなければならないということです。
小売業免許を持っている人・お店・会社同士でお酒を売買することは法令で禁止されています。
逆に、飲食店経営者の方が「お客さんが店内で飲む分のお酒を仕入れたい」場合は
B.酒類小売業者から仕入れることになります。
こちらについてはA.酒類卸売業者から仕入れることはできません。
◆酒類卸売業免許の種類
1全酒類卸売業免許
2ビール卸売業免許
3洋酒卸売業免許
4輸出入酒類卸売業免許
5店頭販売酒類卸売業免許
6協同組合員間酒類卸売業免許
7自己商標酒類卸売業免許
8特殊酒類卸売業免許
ステップ2.販売エリアと免許の関係(B.酒類小売業免許の場合)
◆B.酒類小売業免許が必要な場合
酒類小売業免許は一般消費者や
(テイクアウト・おみやげ用ではなく店内飲料用の仕入れとして)飲食店に
お酒を販売することができる免許です。
酒類小売業免許は販売エリアによって
「B-α.一般酒類小売業免許」
と
「B-β.通信販売酒類小売業免許」
のふたつに分かれます。
◆B-α.一般酒類小売業免許
店舗で販売する方は一般酒類小売業免許を取る必要があります。
また、店舗と同じように都道府県内のお客様に通信販売をする場合も
一般酒類小売業免許になります。
◆B-α.一般酒類小売業免許で販売できるお酒の種類
お酒にはビール、日本酒、焼酎などいろいろな種類(品目)がありますが、
一般酒類小売業免許の特徴として全部の品目を販売することができます。
ただし、一般酒類小売業免許は「店舗の近隣の方に販売する」というのが前提なので、
市町村や都道府県をまたいで販売する(配達など)と
税務署から指導を受けることがあります。
◆B-β.通信販売酒類小売業免許
通信販売酒類小売業免許は一般酒類小売業免許とは逆に、
遠隔地(他都道府県)のお客様に対してお酒を販売することが前提なので
全国のお客様に販売することができます。
しかし、あなたのお店や会社・事務所の近隣の方に対して販売することはできません。
また、お客様は電話・FAX・メールなどで注文するのが原則なので、
販売店舗や会社・事務所に来店して注文することもできません。
◆B-β.通信販売酒類小売業免許で販売できるお酒の種類
一般酒類小売業免許と異なり、
通信販売酒類小売業免許を取ったからといって
すべての種類のお酒を販売することができるようになったわけではありません。
通信販売酒類小売業免許では販売することができるお酒は次の3種類に限定されています。
(1)昨年度の出荷量が少ない製造者のお酒
国産酒類のうち、
カタログ等(インターネット等によるものを含みます)の発行年月日の属する会計年度の
前会計年度における酒類の品目ごとの課税移出数量が
すべて3,000キロリットル未満である酒類製造者(以下「特定製造者」といいます)が
製造、販売する酒類
(2)地方の特産品等を原料にしたお酒の中でも製造委託数量が少ないお酒
国産酒類のうち、
地方の特産品等(製造委託者が所在する地方の特産品等に限ります)を原料として、
特定製造者以外の製造者に製造委託する酒類であり、
かつ、当該酒類の一会計年度における製造委託者ごとの製造委託数量の合計が
3,000キロリットル未満である酒類
(3)輸入酒類
酒類販売業免許の種類についてまとめると下表のようになります。
参考にしてください。
◆免許を取るための条件(要件)をチェックする
A.酒類卸売業免許を受けるためには、
・申請者
・申請者の法定代理人
・申請法人の役員
・申請販売場の支配人および申請販売場
が以下の各要件(以下「免許の要件」といいます)を満たしていることが必要です。
◆酒類卸売業免許の場合
1.人的要件(酒税法10条1号から8号関係)
(1)申請者が酒類の製造免許もしくは酒類の販売業免許またはアルコール事業法の許可の取消処分を受けた者である場合には、取消処分を受けた日から3年を経過していること
(2)申請者が酒類の製造免許もしくは酒類の販売業免許またはアルコール事業法の許可の
取消処分を受けたことがある法人のその取消原因があった日以前1年以内に
その法人の業務を執行する役員であった者の場合には、
その法人が取消処分を受けた日から3年を経過していること
(3)申請者が申請前2年内において国税または地方税の滞納処分を受けたことがないこと
(4)申請者が国税または地方税に関する法令等に違反して、
罰金の刑に処せられまたは通告処分を受けた者である場合には、
それぞれ、その刑の執行を終わり、
もしくは執行を受けることがなくなった日
またはその通告の旨を履行した日から3年を経過していること
(5)申請者が、
未成年者飲酒禁止法、
風俗営業等の規制および業務の適正化等に関する法律
(未成年者に対する酒類の提供に係る部分に限る)、
暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律、
刑法(傷害、現場助勢、暴行、凶器準備集合および結集、脅迫または背任の罪)
または暴力行為等処罰に関する法律の規定により、
罰金刑に処せられた者である場合には、
その執行を終わり、または執行を受けることがなくなった日から3年を経過していること
(6)申請者が禁錮以上の刑に処せられ、
その執行を終わった日または執行を受けることがなくなった日から3年を経過していること
2.場所的要件(酒税法10条9号関係)
正当な理由がないのに取締り上不適当と認められる場所に
販売場を設けようとしていないこと
具体的には、
①申請販売場が、
・製造免許を受けている酒類の製造場と同一の場所でないこと
販売業免許を受けている酒類の販売場、酒場または料理店等と同一の場所でないこと
つまり、すでに製造免許を受けている酒類の製造場や
販売業免許を受けている酒類の販売場と同一の場所で
新たに酒類小売業免許を申請することはできません。
また、原則として酒場または料理店等と同一の場所で申請することはできません。
(この点に関する対策方法は行政書士にご相談ください)
②申請販売場における営業が、
販売場の区画割り、
専属の販売従事者の有無、
代金決済の独立性その他販売行為において
他の営業主体の営業と明確に区分されていること
が必要となります。
3.経営基礎要件(酒税法10条10号関係)
免許の申請者が破産者で復権を得ていない場合のほか、
その経営の基礎が薄弱であると認められる場合に該当しないこと
具体的には、申請者が
①次のイ~へに掲げる場合に該当しないかどうか
かつ
②次のト~リの要件を充足するかどうか
で判断します。
※申請者が法人のときはその役員(代表権を有する者)または主たる出資者を含みます。
①次のイ~ヘに掲げる場合に該当した場合、免許を取得できません。
イ 現に国税または地方税を滞納している場合 → 免許を取得できません
ロ 申請前1年以内に銀行取引停止処分を受けている場合 → 免許を取得できません
ハ 最終事業年度における確定した決算に基づく貸借対照表の繰越損失が資本等の額(注)を上回っている場合 → 免許を取得できません
上記「ハ」について
具体的には最終事業年度が、④<0(繰越損失)の場合で、
繰越損失額が、(①+②+③-④)の額を超えている場合 → 免許を取得できません
ニ 最終事業年度以前3事業年度の全ての事業年度において資本等の額(注)の20%を超える額の欠損を生じている場合 → 免許を取得できません
上記「ニ」について
具体的には各事業年度(過去3事業年度)において当期純損失が計上されている場合で、
各事業年度の当期純損失の額が、各事業年度の(①+②+③-④)×20%の額をすべての事業年度において超えている場合 → 免許を取得できません
(注)「資本等の額」とは
資本金、資本剰余金および利益剰余金の合計額から繰越利益剰余金を控除した額をいいます。
ホ 酒税に関係のある法律に違反し、通告処分を受け、履行していない場合または告発されている場合 → 免許を取得できません
へ 販売場の申請場所への設置が、建築基準法、都市計画法、農地法、流通業務市街地の整備に関する法律その他の法令または地方自治体の条例の規定に違反しており、店舗の除却または移転を命じられている場合 → 免許を取得できません
②次のト~リの要件を満たす必要があります
ト 経験その他から判断し、適正に酒類の卸売業を経営するに十分な知識および
能力を有すると認められる者またはこれらの者が主体となって組織する法人であること
(注)申請者等(申請者等が法人の場合はその役員)および申請等販売場の支配人が
おおむね次に掲げる経歴を有する者で、
酒類に関する知識および記帳能力等、酒類の卸売業を経営するに
十分な知識および能力を有し、
独立して営業ができるものと認められる場合は
原則としてこの要件を満たすものとして取り扱うこととしています。
【全酒類卸売業免許およびビール卸売業免許に係る申請等の場合】
経歴1
・酒類の製造業もしくは販売業(薬用酒だけの販売業を除く)の業務に直接従事した期間が
引き続き10年以上である者
(これらの事業の経営者として直接業務に従事した者にあっては5年以上である者)
・調味食品等の卸売業を10年以上継続して経営している者
・これらの業務(酒類の製造業もしくは販売業、調味食品等の販売業)に従事した期間が
相互に通算して10年以上である者。
経歴2
・酒類業団体の役職員として相当期間継続して勤務した者または酒類に関する事業および
酒類業界の実情に十分精通していると認められる者。
経歴3
・申請等販売場が沖縄県に所在する場合の申請者等の経歴については、
経歴1に定める期間が10年とあるのを3年と読み替えます。
【洋酒卸売業免許、店頭販売酒類卸売業免許、協同組合員間酒類卸売業免許および自己商標酒類卸売業免許に係る申請等の場合】
経歴1
・酒類の製造業もしくは販売業(薬用酒だけの販売業を除く)の業務に直接従事した期間が
引き続き3年以上である者、
・調味食品等の販売業を3年以上継続して経営している者
・これらの業務(酒類の製造業もしくは販売業、調味食品等の販売業)に従事した期間が
相互に通算して3年以上である者。
経歴2
・酒類業団体の役職員として相当期間継続して勤務した者。
・酒類の製造業もしくは販売業の経営者として直接業務に従事した者等で
酒類に関する事業および酒類業界の実情に十分精通していると認められる者。
チ
・酒類を継続的に販売するために必要な資金、販売施設および設備を有していること
または
・必要な資金を有し免許を付与するまでに販売施設および設備を有することが確実と認められること
リ
・申請等販売場における年平均販売見込数量(卸売基準数量)が、
全酒類卸売業免許に係る申請等については100キロリットル以上、
ビール卸売業免許に係る申請等については50キロリットル以上であること
(注)全酒類卸売業免許およびビール卸売業免許以外の免許については、
年平均販売見込数量に関する基準はありません。
4.需給調整要件(酒税法10条11号関係の要件)
酒税の保全上酒類の需給の均衡を維持する必要があるため
酒類の販売業免許を与えることが適当でないと認められる場合に該当しないこと
全酒類卸売業免許およびビール卸売業免許については、
それぞれの免許に係る販売場数と消費数量のそれぞれの地域的需給調整を行うために、
卸売販売地域を設けています。
卸売販売地域は、都道府県を一単位としています。
◆販売場所を決める
免許取得要件のチェックが終わったら次に販売場所を検討していきます。
免許取得要件の中にも「場所的要件」という項目があるので
一見するとすでにチェックは終わっているようにも思いますが、
実際の免許取得申請では表面的には見えにくい手続きがあります。
そのひとつが販売場所についてです。
弊事務所のお客様の中にもテナントの契約条件の問題がクリアできずに
酒販免許取得をあきらめざるを得なかった方が実際にいらっしゃいました。
特に
・賃貸物件でお酒を販売したい方
・飲食店でおみやげ用のお酒を販売したい方(場所的要件)
は
「せっかく書類の準備をしたのに、そもそもお酒が販売できない場所だった」
ということがないよう十分確認してください。
ご不明な点があればお気軽にご相談ください。
お問い合わせ・ご相談はこちら
◆酒類販売管理者研修を受講する
これまでに
・申請する酒販免許の選択(酒類卸売業/一般酒類小売業/通信販売酒類小売業)
・取得要件のチェック
・販売場所の検討
を行ってきました。
これで免許が取得できる見込みが立ったら
いよいよ具体的な申請の準備を行っていきます。
具体的な申請の準備とは
・酒類販売管理者の決定と酒類販売管理者研修の受講
・申請書類の作成
のふたつです。
こちらではまず「酒類販売管理者」と「酒類販売管理者研修」についてご説明します。
◆酒類販売管理者とは
B.酒類小売業免許(一般・通信販売ともに)については
酒類販売の担当者など、どなたかが酒類販売管理者研修を受講して
酒類販売管理者にならなければなりません。
酒類販売管理者とは酒類の販売場における責任者のことです。
酒類販売管理者は酒類販売における責任者ですから、
場合によっては代表取締役の方などにも酒類販売業務について
指導を行わなければなりません。
酒類の販売場には必ず酒類販売管理者を配置させなければなりません。
お一人で経営されているような会社・お店の場合、
代表取締役ご自身や個人事業主ご自身が酒類販売管理研修を受けて
酒類販売管理者にならなければなりません。
また、大きなスーパーマーケットやディスカウントストアなどの
特に広い店舗では広さに応じて複数の酒類販売管理者を配置する場合もあります。
大きな会社などの場合酒類販売管理者は必ずしも代表者ご自身が
酒類販売管理者にならなくてもいいのですが、
よほど大きな会社でない限り税務署では代表者自身も酒類販売管理研修を受講し
酒類販売管理者になることを求められます。
ですから、酒類販売の担当者など代表者以外の方が酒類販売管理者になる場合も
代表者の方自身も酒類販売管理研修を受講しておくことをお勧めしています。
◆酒類販売管理者研修とは
酒類販売管理者になる方は酒類販売管理者研修を受講しなければなりません。
また、以前酒類販売管理者研修を受講したことがあっても
前回の受講から3年以上経過している場合はもう一度受講しなければなりません。
つまり、酒類の販売場で仕事をする誰かが
酒類販売管理者研修を受けて酒類販売管理者にならなければ
酒類小売業免許を取得することができないわけです。
申請するときはまだ酒類販売管理者研修を受講したり
酒類販売管理者として選任されている必要はありませんが、
申請書類には予定者の方のお名前を書く欄があります。
申請してから2ヶ月後、免許が交付されるまでには
必ず酒類販売管理者研修を受講しておかなければならないので
酒類販売管理者として選任される予定の方は
早めに受講しておいた方がいいでしょう。
◆酒類販売管理者研修の内容
酒類販売管理者研修ではどんな内容の研修を受けなければならないのか
気になる方もいらっしゃると思います。
私自身も以前酒類販売管理者研修を受講したことがあるので
その時の記憶を元にご紹介します。
主な内容は
・二十歳未満の方へのお酒の販売の防止について
・お酒に関する法令について
・酒類販売場の表示について
・お酒(アルコール)の特性について
・お酒の容器(缶・瓶類)のリサイクルについて
といった内容が主なところで
研修時間は3時間程度です。
研修の最後には確認テストがあります。
テストとはいってもアンケートレベルのかんたんなものでした。
以前弊事務所で酒類小売業免許を取得されたお客様の話では
研修を開催している団体や研修担当者によっても温度差があり、
寝ていると起こされたり、受講態度がひどいと未修了となる場合もあれば
寝ていても修了できたという研修実施団体もあるようです。
いずれにしても免許を取るためには必要な研修なので
きちんと受講するようお願いします。
◆酒類販売管理者研修を受講するには
酒類販売管理者研修を受講するには国税庁および国税局に指定されている
研修実施団体に申し込みをする必要があります。
酒類販売管理者研修を実施している団体については
こちらのページでご確認ください。
酒類販売管理者研修は全国各地で実施されています。
また、実施時期も一年中実施されているので
実施団体のホームページなどで実施スケジュールを確認して
ご都合の合うときに受講することができます。
ただし、会場によってはすぐに満席になってしまうところもあるので
「酒類小売業免許を取りたい」
「酒類販売管理者研修を受けなければならない」
となったらお早めに研修実施団体にお問い合わせください。
◆申請書類作成
酒類販売管理者研修と並行して申請書類の準備を進めていきます。
通信販売酒類小売業免許を取得するために
税務署に提出する書類は下記の16~20点ほどです。
※場合によっては追加書類が必要な場合があります。
酒類卸売業免許
申請書
- 酒類販売業免許申請書
- 販売業免許申請書次葉1「販売場の敷地の状況」
- 販売業免許申請書次葉2「建物等の配置図」
- 販売業免許申請書次葉3「事業の概要」
- 販売業免許申請書次葉4「収支の見込み」
- 販売業免許申請書次葉5「所要資金の額及び調達方法」
添付書類
- 酒類販売業免許の免許要件誓約書
- 申請者の履歴書(法人の場合は役員全員)
- 法人の登記事項証明書および定款の写し
- 住民票の写し
- 賃貸契約書等の写し
- 地方税の納税証明書
- 最終事業年度以前3事業年度の財務諸表
- 土地および建物の登記事項証明書
- 免許申請書チェック表
◆申請
すべての書類の準備ができたらいよいよ申請します。
申請は所轄の税務署に行います。
窓口で申請することもできますし、郵送で申請することもできます。
この段階では書類を提出するだけなので
申請手数料を支払う必要もありません。
また、その場で書類がチェックされることもありません。
書類のチェックや審査は各地区ごとに定められている酒類指導部門のある税務署に
書類が送られてから受けることになります。
一般酒類小売業免許付与の審査
一般酒類小売業免許付与の審査は、
・申請書及び添付書類の内容に不備がないか
・申請者等及び申請販売場が免許の要件に合致しているか
といった点について行います。
場合によっては申請者(代表者)や酒類販売管理者になる予定の方や
行政書士が税務署でヒアリングを受ける場合や
税務署の担当者が現地確認をしに来る場合があります。
標準処理期間
一般酒類小売業免許申請の審査に必要な標準的な日数(以下「標準処理期間」といいます)は申請書等の提出のあった日の翌日から2か月以内(原則)となります。
ただし、申請書類が漏れている場合や審査を行う上で必要となる参考書類の追加提出または申請書類の補正(修正)が必要な場合には、その書類の提出があるまでの間審査が遅れて免許の交付が遅くなります。
場合によっては標準処理期間の間に税務署の担当者が店舗に来て現地確認を行ったり、
ネットオークションなど過去の販売履歴を調査することがあります。
◆免許取得
おめでとうございます!
審査が終わって免許がもらえることになったら税務署から通知や連絡が来ます。
あとは税務署に行って登録免許税を支払ったり、
酒類販売に関する説明を受けて免許を受け取るだけです。
登録免許税を支払うタイミングや登録免許税の領収書の取扱いなど
少し分かりにくい点もありますが
ここでは税務署の担当者が説明してくれますので
特に問題なく手続きを進めることができるでしょう。
これでいよいよお酒の販売を始めることができます。
おつかれさまでした!