【事業再構築補助金】成長枠

※以下の資料画像はすべて「事業再構築補助金の概要12.0版」から引用しています。

第10回の公募から事業再構築補助金には

  • 成長枠
  • グリーン成長枠
  • 産業構造転換枠
  • 最低賃金枠
  • 物価高騰対策・回復再生応援枠
  • サプライチェーン強靱化枠

という具合に、大きく分けると6つの申請枠が用意されました。

また、上乗せ枠として、「大規模賃金引上促進枠」「卒業促進枠」といった上乗せ枠も用意されています。

中には、第11回公募では募集されていない申請枠も概要には記載されているので、ここでもう一度整理しておきたいと思います。

◆成長枠

◆成長枠の申請要件

必須要件

(1)事業計画について認定経営革新等支援機関の確認を受けること

事業者自身で事業再構築指針に沿った事業計画を作成し、認定経営革新等支援機関の確認を受けること。
補助金額が3,000万円を超える案件は金融機関(銀行、信金、ファンド等)の確認も受けること。
金融機関が認定経営革新等支援機関を兼ねる場合は、金融機関のみで構いません。

(2)付加価値額を向上させること

補助事業終了後3~5年で付加価値額の年率平均3.0~5.0%(申請枠により異なる)以上増加、
又は従業員一人当たり付加価値額の年率平均3.0~5.0%(申請枠により異なる)以上増加させることが必要です。

追加要件

  • 必須要件(付加価値額については、年率平均4.0%以上増加を求める。)に加え、以下の①及び②を満たこと
  • ①取り組む事業が、過去~今後のいずれか10年間で、市場規模が10%以上拡大する業種・業態(※)に属していること
  • ②事業終了後3~5年で給与支給総額を年率平均2%以上増加させること

となっています。

このうち①について、申請しようとしている事業が「過去~今後のいずれか10年間で、市場規模が10%以上拡大する業種・業態」に属しているかどうかを調べるのは非常に面倒です。

そこで、事務局があらかじめ確認して指定した業種が公開されています。

https://jigyou-saikouchiku.go.jp/pdf/seichowaku_list.pdf

しかし、ぱっと見た感じ、成長分野だろうに、指定リストに含まれていないサービスもあります。

その場合は、ご自分で過去~今後の10年間の市場規模を調べ、「市場拡大要件を満たすことの説明書」(ダウンロードはこちら)に記載して提出することになります。

◆成長枠の補助率引上げ

成長枠とグリーン成長枠には補助金額を引き上げることができる上乗せ枠があります。

「卒業促進枠」「大規模賃金引上促進枠」という2つがありますが、この2つは同時に上乗せすることができません

◆卒業促進枠

【卒業促進枠の要件】

以下の①及び②を満たすこと

  • ①成長枠又はグリーン成長枠に、同一の公募回で申請すること。
  • ②成長枠又はグリーン成長枠の補助事業の終了後3~5年で中小企業・特定事業者・中堅企業の規模から卒業すること(※)

(※)以下のいずれかを達成する必要があります。
・応募時点で中小企業→特定事業者、中堅企業又は大企業に成長
・応募時点で特定事業者→中堅企業又は大企業に成長
・応募時点で中堅企業→大企業に成長

◆大規模賃金引上促進枠

【大規模賃金引上促進枠の要件】

以下の要件をいずれも満たすこと

  • ①成長枠又はグリーン成長枠に、同一の公募回で申請すること。
  • ②成長枠又はグリーン成長枠の補助事業の終了後3~5年の間に、事業場内最低賃金を年額45円以上の水準で引上げること。
  • ③成長枠又はグリーン成長枠の補助事業の終了後3~5年の間に、従業員数を年率平均1.5%以上(最低事業計画期間×1人の増員が必要)増員させること

ちなみに、大規模賃金引上促進枠を上乗せしても「補助率」は変わりませんので、補助率を上げたい場合は大規模な賃上げを検討しなければなりません。

◆「大規模な賃上げ」で補助率アップ

成長枠またはグリーン成長枠に申請する場合、【大幅な賃上げ】を達成すると補助率がアップされます。

【大規模な賃上げ】

※事業終了時点で、

  • ①事業場内最低賃金+45円、
  • ②給与支給総額+6%

を達成すること。

ただし、事業終了後3~5年で給与支給総額を年率平均2%以上増加させることが出来なかった場合、差額分(補助率1/6分)の返還を求めます。

◆成長枠に申請する場合の選択肢は6パターン

まとめると、成長枠に申請する場合の選択肢は

大規模な賃上げなしあり
成長枠①なし①あり
成長枠+卒業促進枠②なし②あり
成長枠+大規模賃金引上促進枠③なし③あり

という6つになります。さらに、今現在中小企業なのか中堅企業なのかによっても分かれますから、厳密には12パターンの中から選ぶことになります。しかし、中小企業か中堅企業かはすでにはっきりしていますから、申請者の方は特別難しく考える必要はありません(支援者側は大変ですが)。

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